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1.4 研究の成果

この研究の成果は第2章から第5章に詳しく述べるが、要約すると次のとおりである。
(第2章の概要)
波浪観測資料(IMA,NOWPHAS,NOAA)、気象解析資料(500hPa高度、循環指数、海面水温)、波浪計算資料(JWA3G)を収集し、解析のための準備を行った。
(第3章の成果概要)
波浪観測資料に基づき、日本沿岸、日本周辺沖合いおよびアメリカ大陸沖合いの波浪について、波浪の統計的特性(経年変化、波高と周期の結合分布、50年再現期待値および長期変化傾向等)を明らかにした。概略すると、沿岸波浪と外洋波浪とは特性が異なり、平均的な50年再現期待波高は、沿岸では約10mであるのに対し、外洋では約20mである。長期変化傾向については、日本の太平洋沿岸では、波高が増加傾向を示すことが明らかになった。
(第4章の成果概要)
波浪と上層大気および海面水温との関係を統計的に調査して、上層大気の大気大循環の変動が波浪に与える影響を明らかにした。つまり、波高偏差と500hPa高度偏差には相関の高い領域があり、これらの相関分布は大気大循環場と関連する特徴的なパターンを示すこと等が得られた。さらに、これらの統計的関係を用いた波浪の長期予測手法を開発した。
赤道域海面水温偏差と北太平洋中緯度およびインド洋の波高偏差とが相関をもつことが明らかになった。
循環指数と波高偏差との相関解析によると、相関の高い観測点・季節が示され、これらにおいては循環指数は波浪の長期予測の重要なパラメータになるものと考えられる。
(第5章の概要)
本研究結果を総合的にとりまとめ、考察を行った。

 

 

 

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